今日は、佐賀県唐津市に伝わる民話を紹介します。
「かんね」この物語の主人公で、ずるがしこく風変わりですが、とんちが効いてるいかした奴です。
唐津市の周辺地域では風変わりで大法螺吹きのことを、住んでる土地の名前に「かんね」をつけて
「○○かんね」と呼んだりします。
本当は、唐津弁で語り継がれた民話ですが、解り易く翻訳?&解説つきで書いてます。
まあ、読んでみてください。
今日は、 「かんね」さんが京見物をしたときのお話です。
かんねさんの町には、伊勢講といって、講に当たると毎年一人だけお伊勢様に詣でることができました。
解説1 おくんちで有名な唐津ですが、その主役「曳山」は、お伊勢参りの帰りに京都祇園山笠を見て感動した刀町の木彫師、石崎嘉兵衛が帰郷後制作し、唐津神社に奉納したのが、一番曳山赤獅子だそうです。
今年は、かんねさんが伊勢参りに行く番です。
去年は、三軒隣の六助どんが当って、伊勢参りのついでに京都見物までしてきました。
帰って、かんねさんに、「いい見物だった、お伊勢さまも良かったが、京都じゃびっくりすることばかりだったよ。京の町には欲しいものは何でもある。町のなかに『かかみみせ』という看板をみつけた。京には『かかあ』を見せる商いまであるんだよ。驚いた。」
「それで、良い土産話になると思って、店に入って『かかあば見せテン』(奥さんを見せてくださいの意味)と言ったら、店の人がおかしな顔をして何か言ったのだが、言葉もよく解らないので諦めて帰ってきたよ。」
と話して聞かせたそうだ。
「今年は俺がお伊勢参りに行くから、六助どんに聞いた『かかみみせ』に行こう」
京都に着いて、さっそく「かかみみせ」を探したのですが、見つかりません。
「こぎゃん探して目ぇかからんなら、しょんなかあきらめんこて」(こんなに探しても見つからないなら、しょうがない諦めよう)
と、立ち止まると目の前に『ことしゃみせん』と書いた看板がありました。
「ありゃあ、そんならしょんなかな」(それならしょうがないな)と、独り言を言いながら唐津に帰りました。
帰って、六助どんに「お前が教えてくれた『かかあ見せ』を探したら、『ことしゃ、みせん』と看板が出てた。『今年は見せん』らしい。」と話しました。
六助は「鏡店」を「かか(かかあ)見店」と読み間違え、かんねさんは「琴、三味線」を「今年ゃ、見せん」と間違ったというお話。
今日の話はここまで、次回に続く・・・のか?
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