おまたせしました。・・・続きを早速!
度々、尻尾を踏みつけられる おさん狐 は
「ええくそ、こぎゃんかめに遭おうごたるなら
はよちん逃げたがましばい」と思いましたが、
(ええい、こんな目に遭うくらいなら、早く逃げたほうがいいよ)
鼻の先に大好物の鯛があって、その匂いの誘惑に負けて
諦めきれずにいました。
二人は、赤水の碇石のところにさしかかりました。
さすがの、おさん狐も、
「こん男にゃ、隙んなかし、尻尾も痛かし、
大好きな鯛じゃあっないどん、ぼちぼち諦めんこて」
(この男には隙がないし、大好きな鯛ではあるけれど、もう諦めよう)
と、思いました。
その時でした。
かんねは、いきなりおさん狐の襟首をつかみ、
力の限り碇石に叩きつけました。
狐は驚き「キャーン」と悲鳴を上げます。
かんねは、二度三度とつかんでは投げ、
またつかんでは投げつけます。
おさん狐は、とうとう気を失ってしまいました。
狐が動けなくなると、かんねは大声で
「こりゃ、おさん狐!おいばだいて思うちょっとか
唐津ずもうじゃ、ちいた名の知れた
裏町んかんねぞ。
お前が、あんまりわいそすっけん
今日は、おいがボテくらしちゃるけんな」
(これ、おさん狐!俺を誰だと思っているのか
唐津ずもうじゃ、少しは名の知れた
裏町のかんねだぞ
おまえが、あまりにも悪戯するから
今日は、俺がボコボコに殴ってやるからな。)
と、怒鳴りました。
「あいたぁ、話ゃ聞いっとったばってん、
こん男がかんねやったとか、しもたぁ」と、思いましたが
(しまった、話には聞いていたが、この男がかんねだったのか、失敗した)
これほど、痛めつけられては、身動きできず・・・
生きた心地はしませんでした。
しかし、殺されてしまっては元も子もなく
「わいそして、すいません
貴方様のいわすこつはなんでん聞きますけん
命だけは助けてくれんですか。助けてください。」
(悪戯して、すいません。貴方様のおっしゃることは
何でも聞きますから命だけは助けてください)
と、泣きの涙で頼みました。
おさん狐を見事に退治したかんねは意気揚々です。
「よかたい、ワイがそがんして頼むない助けちゃらんでんなか
そうじゃ、黄金の茶釜に化けてんかい、
そしたら許しちゃらんでんなかじゃ」と、いいました。
(いいぞ、お前がそれほどまでに頼むなら助けてやってもよい。
そうだ、黄金の茶釜に化けてみろ、そうしたら許してやらなくもない)
狐は殺されるよりましだと思って、かんねの言う通り
黄金の茶釜に化けました。
「こりゃ、よか茶釜じゃん、こいでいっちょ一儲けせんこて」
(これは、良い茶釜だ、これで一つ一儲けしないとな)
といって、その茶釜を風呂敷に包みました。
見事、おさん狐を退治した我等がかんねさん
今回は、無事きつねを退治しましたが、きつねに化かされて、
お風呂に入っているつもりが肥溜めに入っていたというお話もあります。
やはり、かんねVS狐は宿命のライバルといえるでしょう。
ところで、この狐退治ですが・・・、黄金の茶釜を手に入れたかんねさん
何か、よからぬ事を思いついたようですが・・・。
この話の続きはまた今度・・・
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