「なんばいうちょるけ!ふうけもんどみゃ」(なにをいってるんだ!馬鹿者どもが)
と、大声で言ったという。
の続き・・・
若い者はびっくりして、かんねどんが居ることに気が付いた。
その中で、ふうけ者と言われた若者は、真っ赤な顔をして
「ふうけもんな、かんね、われたい!誰にでん聞いてみんけ」
(馬鹿者は、かんね、お前だよ!誰にでも聞いてみればいい)
「みんな富士山ていわすばい!!」と、文句を言った。
(みんな、富士山と言うでしょう)
すると、かんねさんは、
「そいけん、ふうけもん ちゅうとたい 唐津ンにきにゃ、
日本一ン山ンあろうもん」と、言いました。
(だから、馬鹿者と言っておる。唐津の近くには日本一の山があるでしょう)
するとその若者は、ますますむきになって、
「そん山な どこけ。言うちみんけ」と、やり返しました。
(その山はどこですか?いってみろ)
すると、かんねさんは、
「こんくりゃん こつば 知らじ 恥ずかしゅうなかけ
中町ン竹屋ンうなぎば、賭くんなら、教えてんよか。」
(それ位の事も知らないで恥ずかしくないのか。
中町の竹屋のうなぎを賭けるなら教えてやってもいい)
と、おちょくりました。
すると、若者は なお腹をたてて、
「よかたい、賭けちゅうだい」と、かんねの賭けにのりました。
(いいだろう、賭けよう。)
するとかんねは、右手で自分の胸を「とん」と叩いて、
「そん山はな、鏡山たい」 といいました。
(その山は、鏡山だよ)
すると若者は、目ン玉を白黒させて、
「鏡山て、鏡山ん なして日本一たっかけ !
かんね わりこそふうけもんばい、たいてぶんに、しとかんけ!
あぎゃんひっか山ン、なして高っかけ、
浮岳よい 低っかじゃなっか」
(鏡山?鏡山がなぜ日本一高いのだ!
かんね、お前こそ馬鹿者だ、いいかげんにしろ!
あんなに低い山が、なぜ高いというんだ
浮岳よりも、低いじゃないか。」
と、かんねにいいたい放題言ってやりました。
すると かんねは、
「しゃんかわけにゃあ いかんとたい。ワレたちゃ
毎日見ィつけとるけん、ひっかち 思うちょろいどん、
よう考えてんケ、鏡山はな、名前ンごと、
今は、かがんじょるどん、あいが立ち上がっちみんけ
どん位高うなるかわからんばい」と、いいました。
(そういう訳にはいかんのだ。お前たちは
毎日見慣れてるから、低いと思ってるだろうが、
よく考えてみてくれ、鏡山はな、名前の通り、
今は、かがんで((屈んで))いるが、あれが立ち上げってみろ
どれ位高くなるかわからんぞ)
この二人のやり取りを聞いていた他の若者が
「ほんなごて、かんねどんの いわすごてばい」
(本当だ、かんねさんの 言う通りだ)
と、いいました。
それで、この賭けはかんねさんの勝ちになりました。
おかげで、かんねさんは竹屋のうなぎを食べる事が出来ました。
おしまい。
我等が、かんねさん・・・・本当に嫌な奴です・・・・。
ちなみに、唐津の竹屋さんは、ウナギ屋さんとして、
現在も営業しておられます。
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